大人になって本気でスイミーを読む。

  小学生の時にみんな読んだであろうスイミー。当時は何も考えず先生の言っていたことを、へーって聞いていただけだが、考えることを学んだ今。当時の記憶と比べて読み解いていこうと思う。

 

以下。本文コピペ

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本気でスイミー広い 海の どこかに、小さな魚の きょうだいたちが、楽しく くらして いた。

みんな 赤いのに、 1ぴきだけは、からす貝よりも まっくろ。

およぐのは だれよりも はやかった。

名前は スイミー

 

ある日、 おそろしい まぐろが、 おなかを すかせて、

すごい はやさで ミサイル みたいに つっこんで きた。

一口で、 まぐろは、 小さな 赤い 魚たちを、 一ぴきのこらず のみこんだ。

にげたのは スイミーだけ。

 

スイミーは およいだ、 くらい 海のそこを。

こわかった。 さびしかった。

とてもかなしかった。

けれど、 海には、 すばらしい ものが いっぱい あった。

おもしろい ものを 見るたびに、 スイミーは、 だんだん 元気を とりもどした。

にじ色の ゼリーのような くらげ。

水中ブルドーザーみたいな いせえび。

見たこともない 魚たち。見えない 糸で ひっぱられて いる。

ドロップみたいな 岩から 生えて いる、こんぶや わかめの 林。

うなぎ。 顔を 見る ころには、 しっぽを わすれて いるほど 長い。

そして、風に ゆれる もも色の やしの気みたいな いそぎんちゃく。

 

そのとき、 岩かげに スイミーは 見つけた、スイミーのと そっくりの、 小さな魚のきょうだいたちを。

スイミーは 言った。

「出て こいよ。 みんなで あそぼう。 おもしろい ものが いっぱいだよ。」

小さな 赤い 魚たちは、 答えた。

「だめだよ。 大きな 魚に 食べられて しまうよ。」

「だけど、 いつまでも そこに じっとしているわけには いかないよ。 なんとか 考えなくちゃ。」

スイミーは考えた。

いろいろ 考えた。

うんと 考えた。

 

それから、とつぜん、スイミーは さけんだ。

「そうだ。みんな いっしょに およぐんだ。 海で いちばん 大きな 魚のふりをして。」

スイミーは教えた。 けっして、 はなればなれに ならない こと。

みんなが、 一ぴきの 大きな 魚みたいに およげるように なったとき、 スイミーは 言った。

「ぼくが、 目に なろう。」

あさ、つめたい 水の 中を、 ひるの かがやく 光の 中を、

みんなは およぎ、 大きな 魚を おい出した。

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 読み返すと結構懐かしい。小学2年生で習うようだ。授業では「みんなの力を合わせたらすごい」とか「個性を大切にしよう」とか言われたと思う。しかしそれはスリードおそらく「醜いアヒルの子」などでたとえ話がしやすくできるとか、2年生ならここまでしか理解できないだろうといった学校側の怠慢な気がする。子供舐めんな

 

  普通に読めばスイミーの冒険の話で、最後は仲間と力を合わせ大きな敵を撃退してハッピーエンド。で終わるだろう。しかしなぜ一度敗れた天敵に打ち勝つことができたのだろう?

 

 確かに個性を伸ばすことも大切だ。 

 ただ、もっと大事な部分がある。いつになっても必要なもの。成功するのに欠かせないもの。それは、アイディアだ

 スイミーは大きな功績を成したがそれはスイミーが黒いからじゃない。うんと考え、いろいろ考え自分を生かせるアイディアを考えたからだ。

 

 「個性を伸ばすには自分を知り、考え、アイディアを作りなさい。」スイミーの作者は子供たちにそんなメッセージを伝えたかったのかもしれない。